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むせかえるような匂いにメロメロ

イェルマ見にきて欲しい。

面白い。

何が面白いか。

発掘していくような、詩情にもうメロメロです。


イェルマ(主人公)は、望みがあるのだけど、それが叶わなくって、その中で夢をたくさん思い描いて過ごしてます。

たとえば、細々と手作りなもので、夢かわなアイテムを作るような、つまやかな優しさのように。

その、現実に対して夢の力で自分を支えていこうとしているその強さ。に魅力を感じてます。

前作、ベルナルダ・アルバの家でも、亡き父の存在に抑圧されている女たちが描かれていましたが、今回は、夫と周辺地域の人たちからの抑圧に戦い抜く力強い女の姿が見られます。そして、その女を支え/支えられている夢(超現実)のファンタスティックな感じも見どころです。



そして、

イェルマのセリフの中には、たくさんの花・植物が出てきます。

詩人で劇作家のロルカですから、そこには、花に託した言葉が溢れています。これが、一聴しただけではわからなくっても、「この花はなんじゃろ?」と調べていくと、すごくたくさんの言葉や、説話や、キリスト教的な物語が出てきます。(ロルカは幼少期にキリスト教からの物語を自分で脚本にして、友人に披露していました)



そして、前作に登場したポンシア(僕が演じたメイド、召使い)のような存在の、不信心な老婆が登場します。そのほかに、ドローレス という名前の登場人物がいるのですが、これは、ロルカが幼少期に育ててくれた執事の名前です。さらに"苦悩"の複数形の意味でもあります。



謎解きのような、詩情をたっぷり含んだロルカの言葉のむせ返るような香りに、僕はもうメロメロです!



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