まだ見ぬ舞台への熱いおすすめコメントをまとめた 「イェルマへの望遠鏡」
第二弾は10月の風鈴に出演してくれた酒瀬川真世さんに書いていただきました!
なんと、あの時、すでに、お子さんが、お腹の中に、いらっしゃった!とのことです。驚き。
殺されてしまう役で、身体的にも、精神的にも大変な役だったのに、
見事、圧巻に乗り切ってしまうなんて、素晴らしい!
イェルマの物語は、子どもを授かることのできない妻:イェルマが主人公の物語です。
お母さんでもある酒瀬川さんはどのようにご覧になるでしょうか。
♡コメントありがとうございます♡
こんにちは、福岡を中心に役者をやっております酒瀬川真世と申します。去年から長崎在住になりましたが、相も変わらず福岡を中心に活動しております。
さて、劇団GIGAさんとのいちばん最近のご縁は「10月の風鈴」(2016韓国ソウル/2017福岡)への出演でした。 まずソウル公演の時は、とにかく稽古期間が短く現地入りしてからも必死に稽古してました。演出の山田恵理香さん(以下:えりかさん)特有の、言葉と身体をバラバラにする、台詞の意味と音をバラバラにする、そんでもって俳優自身の実体験で得たことのある感覚をプラスして再構築していく(台本を、台詞を変えるということではなく)というその演出に悪戦苦闘(もっと言うなら七転八倒)した記憶があります。 ※今書いた「えりかさん特有の、」以降ぜんぶ私が勝手に感じていることですが。そして私の今回の文章には( )が多用されそうな気がします、ここまで書いてみて。 劇団GIGAの作品て、えりかさんの演出が前面に出ているような印象もあるかと思うんですけど、出演してみると、その演出手法によって、俳優の人生や思考や経験や性癖がフルに盛り込まれていくので、時々じぶんの空っぽさにも苛まれたりして、でも闘うんです、それと。
で、その後に再演が決まった福岡公演(谷岡紗智の悲劇三部作)の時にはあんなにがんばったソウル公演の稽古がたった1年足らずで身体から抜け落ちてしまってて取り戻すのに苦労しました。個人的にも、あのときは妊娠中で本番でようやく安定期に入るかどうかくらいの時期だったので、そんな中でゾゾゾの殺されちゃうやつ、という思い出深い公演であります。 私が最初にGIGAを見た20年ちょっと前から既に他の劇団では見られないような演出で、断トツに異彩を放っておりました。 最初に出演したのは2002年「サロメ」。空間再生事業という冠にふさわしく、会場は銭湯でした。演出はえりかさんではなかったですが(演出:菊沢将憲)、その時も他では味わえないスペシャルな現場を体験しました。浴槽と洗い場が劇空間で、脱衣場が客席。その客席後方にはドラムセットがあり生演奏でお客さんの鼓膜たぶんパンパン。ね、スペシャルでしょ? 役者は終演後たいがい風邪引きました。スペシャルな怪物女優 猛者ちゃんに出会ったのもその時。 観客として今でも強烈に残っているのは「埋められた子供」。これも劇場空間でなくどこか古いビルの上にあったバーとかライブハウスとかなんかそんなとこだった気がします。覚えてるのは具体的なストーリーとかでなく、その時じぶんが座ってた感覚、音、光と闇、土の匂い、そういう五感に残り香がまだあります。
そしてそして、今回の「イェルマ」。 ここまで長々と書いて…すみません!どんな作品か知りません!ロルカには少し触れたことがありますが、ほとんど知りません! ただ、今回のキャスティングが発表されたそのチラシに並ぶ名前を見たとき思わず「なにこのお化けキャスティング!」と呟いちゃいました。世界に向けて。とぅうぃーとぅ。私が共演したい人、客席でじっくり見たい人ばっかり。 ガルシアロルカの世界に GIGAに脈々と流れる血と肉と生命の手触り えりか演出の人間を見つめる目 そして、濃厚な俳優陣の人生が絡み合い 、、、想像、妄想だけでお腹すいちゃう。
…長々書いたけど、これオススメコメントになってますか!? 私は、見たいです!とても!!
酒瀬川真世